目次


更新日:

表示について
名前
産地
原料
製造所
メモ




ハードタイプ
アベイ・ド・シトー
ブルゴーニュ地方
牛、生乳
シトー修道院
穏やかで食べやすい。年産60t、現地で消費されてしまう。
シトー修道院は1098年に建立。チーズ作りは1925年から


アポンダンス
サヴォワ地方(AOCが指定する地域)
牛、生の全乳。牛の品種はアボンタンス種、モンベリアルド種、タリーヌ種
フェルミエ、酪農場、酪農協同組合、酪農工場、シャレ
熟成中に出来るモルジュ(morge)化した皮は濃い黄色から茶色に。布自の跡
がある。側面に青いカゼインの鑑札がついてしも。フェルミエ製は楕円形。四角形はその他。

エジー・サンドレ
ブルゴーニュ地方
牛、生の全乳
フェルミエ、酪農場
身の中心部に芯があるのを好む人のための浅い熟成

アロム・オ・ジェヌ・ド・マール
リヨネ地方
山羊乳または牛乳
ブドウの絞りかすにチーズを漬け込むのはリヨネ地方に古くからある熟成法の一つ。マールが芯までしみている

アロム・オ・ヴァン・プラン
リヨネ地方
身は湿り気を含んでねっとりとし、非常に美味。食都リヨンのチーズ賞味法である。容器に網を敷き、サン=マルスランや山羊のチーズを置いて白ワインを注ぎ密閉する。2~3週間静置すると、ワインは蒸発し、その香りがチーズにしみる。

バノン・ア・ラ・フイユ
プロヴァンス地方、ドーフィネ地方
山羊、山羊乳+牛乳、牛乳
フェルミエ 酪農場 酪農工場
熟成が若いものは身が白く、きめが細かいが弾力がない。
熟成が進むと表皮に粟の葉の色がつき、香りが移る。よく乾燥した栗の葉を
酢水で煮る。その葉でオー=ド=ヴィにくぐらせた熟成2週間のチーズを包む。

ボーモン
サヴォワ地方
牛、生乳
酪農工場
1881年、ジュネーヴ近郊のポーモン村でタミエの製法を取り入れて作りはじめた。大量生産チーズに生牛乳を使ったパイオニアでもある。

ボーフォール
サヴォワ地方(AOCが指定する地域)
牛、生の全乳。牛の品種は土地のタリーヌ種とアポンダンス種
フェルミエ、酪農協同組合、酪農工場、シャレ
高貴な香り、気品に満ち、特に濃厚、芳醇なアルバージュものは他を圧倒する。

青かびタイプ
プルー・ドーヴェルニュ
主にオーヴェルニュ地方(AOCが指定する地域)
牛乳
酪農協同組合、酪農工場

ブルー・デ・コース
ルエルグ地方(AOCが指定する地域)
牛、生の全乳
酪農協同組合、酪農工場

ブルー・デュ・オー・ジュラ/ブルード・ジェクス/ブルー・ド・セモンセ
フランシュ=コンテ地方ジュラ山脈(AOCが指定する地域)
牛、生乳
酪農協同組合

ブルー・ド・ラクイーユ
オーヴェルニュ地方
牛、殺菌乳
小酪農工場
1850年頃、ラクイーユ村のアントワーヌ・ルーセル氏が、ライ麦パンに生えた青カビを混ぜて作った。村には銅像がある。熟成の若いものはまろやかで、ブルーの初心者にも食べやすい

ブルー・デュ・ヴェルコール=サスナージュ
ドーフィネ地方ヴェルコール山塊
牛、殺菌乳
酪農工場
昔ながらの山のブルーチーズ。夏の放牧牛のチーズは牧草の良さ、ミルクの
芳醇さがわかる。修道僧が作り始め、近隣の村々へ拡がった。

プレス・ブウー
プレス地方
牛、殺菌乳
酪農工場
第二次大戦後の製品

セミハードタイプ
ブール・ド・リール/ミモレット・フランセーズ
フランドル地方、ブルターニュ地方、ブルゴーニュ地方、ノルマンディ地方、ボワトウ地方
牛、殺菌乳
酪農協同組合、酪農工場
北部のチーズ。元祖をめぐりオランダかフランスか議論はある。フランスではコルベール(17世紀の政治家)の時代に、外国品の輸入を禁止したので、オランダのチーズが入らなくなった。そこで自国で作り始めたという。ミモレットはフランス語てmi.mollette (ミ=モレト)半分柔らかいが語源。オランダのエダムと同じ製法。リール市に熟成カーヴがあったためリールのポールと呼んだと記している。身は、初めは半分柔らかいが、熟成がすすむと硬くなり、さらにすすむと乾いて砕ける。熟成は3カ月=若い、6カ月=半分古い、12カ月=古い、18-24カ月=特古と区別する。身の色も人参色からオレンジ茶へ。それにつれて風味が変わる。チーズのオレンジ色はロクーによる。

ブルピ・デュ・ロショワ
トゥーレーヌ地方
羊、生乳
フェルミエ
山羊のチーズが多いトゥーレヌ地方での、良質の羊のチーズ

フロマージュ・ド・ブルビ
ラングドック地方黒コース高原
羊、生乳
フェルミエ
コクのある濃厚なチーズ

ラカンドゥ(ル)
ルエルク地方
羊、生乳
酪農場
アヴェロン北部の山また山を分け入る。創始者ラカンさんの名前がついている。

ペライユ
ルエルグ地方ラルザック高原
羊、生乳
フェルミエ、酪農場
羊のミルクが匂う。身は濃いクリームのようにねっとりとしている。やさしく、まろやかな味

トリコルヌ・ド・マラン
ポワトゥ地方ポワトヴァン湿地帯
羊、生乳。山羊乳、牛乳もある
フェルミエ
柔らかい甘昧と軽い酸味を味わう。原料のミルクが良質で、乾燥成分の含有量が高い。海辺の町マラン産。生産中止になっていたのが1984年に復活。

オッソー=イラティ=ブルビ・ピレネ一(AOC)
バスク地方、ベアルヌ地方(AOCが指定する地域)
羊、全乳
羊の品種:産地に伝統的に定着している品種(主としてマネッシュ種)
フェルミエ、酪農協同組合、酪農工場、カイヨラール(ピレネーの山小屋)

アベイ・ド・ベロック
バスク地方
羊、生の全乳。マネッシュ種
ノートル=ダム・ド・ベロック修道院
皮の下に、きめの細かい美しい身がある。長い熟成の成果が奥行きのある味
を醸し出す。近郊農家から羊乳を購入、修道院内で修道僧が作る。院内地下の自然カーヴで熟成。パリで入手可能な数少ないピレネーの羊チーズ。

アルディ=ガスナ
バスク地方
羊、生の全乳
フェルミエ
皮の下の身はややグレー。味は品の良さが際立っている。スペインとの国境の港町、サン=ジャン=ド=リュス(マグロ漁業の拠点)のチーズ店の作品。

オービスク・ピレネー
ベアルヌ地方オービスク峠
羊、生乳+牛、生乳。割合は季節による
フェルミエ
現地の話ではオッソー・ヴァレーのオービスク峠(1709m)に3人の羊飼いがい
て、夏の峠でチーズを作っているという。Fはその一人の頭文字。熟成は若
い。身は柔らかく、ねっとりして、やさしい味である。牛乳を加えた効果だ。

フロマージュ・ド・ブルビ
ベアルヌ地方オービスク峠
羊、生乳
フェルミエ
ずっしりとヴォリュームがある山のチーズ。詰まった身を状態よく包み保護する表皮は頑丈にできている。羊チーズの生産は年間6、7カ月。この地方は冬季には道が閉さされ、交通の便が悪くなる。チーズが重要な冬の保存食になる。

フロマージュ・ド・ブルピ・ヴァレー・ドッソー
ベアルヌ地方オッソー・ヴァレー
羊、生乳
フェルミエ
アルディ=ガスナと同じデュパンさんの熟成。優れた羊飼いが良質なミルクで入念に作ったチーズに練達の熟成士の技が冴える。

フロマージュ・ドッソー、ラランス
ベアルヌ地方
羊、生の全乳
フェルミエ
オッソー・チーズの中心地、ラランスは標高531m、スペイン国境に近いピレネーの山裾の町である。四方を山に図まれた町が作った力強いチーズ。

ラランス
ベアルヌ地方オッソー・ヴァレー
羊、生乳
フェルミエ
熟成した羊チーズ。身はポロッと折れる。脂肪分と羊臭さとよく練れた酸昧と塩昧が調和して美味である。オッソー・チーズは甘さがないのが特徴となっている。ラランスでは毎年10月にチーズフェアが催される。

マトック
ベアルヌ地方
羊、全乳
酪農場
ピレネーでラベルをつけ、AOCをかかげるチーズは珍しい。C・マトックさんの酪農場製。塩昧がきいて、骨格のある味になっている。8~10度のカーヴで6~8カ月熟成。1年以上のものもある。

オッソー・フェルミエ
ベアルヌ地方オッソー・ヴァレー
羊、生の全乳
フェルミエ
おおらかな丸みが美しい。熟成は若いがよくできている。小さな気孔が全体に散っている。歯にも舌にもぼそっとあたる。塩味は強いが、噛みしめると、脂肪のこなれた味とよい匂いがゆっくりと出てくる。

白カビタイプ
ブリ・ド・モー
主にイル=ド=フランスのブリ地方(AOCが指定する地域)
牛、生乳
酪農場、酪農工場

ブリ・ド・ムラン
イル=ド=フランス地方(AOCが指定する地域)
牛、生乳
酪農場
チーズを食べ尽くしたフランス人が、最後にひとつというならこのチーズだという。
この姿も香りも味も、バランスのとれた華やかで洗練されたチーズは、フランスチーズの王様と呼ばれるにふさわしい。

ブリ・ド・クーロミエ
イル=ド=フランス地方
牛、生乳
フェルミエ
製造者はマダム・ストルム。熟成は同じ地元の家族経営「ブリのチーズ」社が担当。熟成4週間。地元では身は流れるほどには熟成させないで、むしろ芯があるのを好む。

クーロミエ
イル=ド=フランス地方
牛、生乳か殺菌乳
フェルミエ、酪農場酪農工場
ブリには大中小3つのサイズがある。クーロミエは番小型だがその割りに厚みがある。濁りのない黄色い身に白い芯がある。

フージェリュ(ル)
イル=ド=フランス地方
牛、生乳
酪農場
ブリ・チーズの仲間。クーロミエよりやや大きい。はじめは農家が自家用に作り、シダを飾って香り付けをした。20世紀初めに商品化された。白カビの匂いにかすかにシダの香りが混じる。身は柔らかく、なめらかで塩がきいている。

シェーヴルタイプ
カベクー・ド・グラマ
ケルシーズ地方
山羊、生乳
山羊乳+牛乳もある
フェルミエ

カベクー
ケルシー地方
フェルミエ

ピカドゥ
ケルシー地方
フェルミエ
熟成したカベクーを栗かプラタナスの葉で包む。プラムのマールをふりかけて密閉して保存。マールの芳香がつく。砕いた胡椒がきいている

ロカマドゥール
ケルシーズ地方
山羊、生乳
山羊乳+牛乳もある
フェルミエ、酪農場
産地は主としてロト県内のグラマ、ロカマドゥル、カルリュセ3村を結ぶ三角形の地帯。

カマンベール・ド・ノルマンディ
ノルマンディ地方(AOCが指定する地域)
牛、生乳
酪農協同組合、酪農工場
ノルマンディ地方は雨が多い。温暖多湿で、なだらかな丘陵によい草が育つ。当然牛のミルクは良質で、名門チーズの産地である。バターや生クリームも高品質で知られている。南ノルマンディには、チーズを作る村々をつなぐチーズの道(route du fromage)がある。カマンベール、ポン=レヴェック、リヴァロなど、それぞれ原産地の村の名前がチーズになっている。AOCの取得が遅かったため(1983年)世界で一番コピーされ、フランスチーズの代名詞に使われるこのチーズは、最初はカマンベール村のチーズが月曜日に市場にでる(1708年の記録)という呼称だった。その後カマンベール村のチーズからカマンベールとなり、正真正銘のカマンベールを経て、AOC規定はノルマンディのカマンベールとした。
1790年、フランス革命で、イギリスへ逃亡を企てた修道僧の一人がノルマンディの農家にかくまわれ、ブリの製法を伝授した。その農家のおかみさんが有名なマリー・アレルである。今は隣のヴィムーティエ町に像が建っている。

カマンベール・アフィネ・オ・シードル・ア・ラ・メゾン
皮の白い、熟成の浅いカマンベールをシードル(リンゴ酒)に浸して15日くらい置く。シードルが染みこみ、リンゴの香りがする

クール・ド・カマンベール・オ・カルヴァドス
カルヴァドスに浸したもの。カルヴァドスはシードルから作るブランデー。
シードルもカルヴァドスもノルマンディが産地。


セミハードタイプ
カンタル/フルム・ド・カンタル
オーヴェルニュ地方カンタル山塊
牛、生乳か殺菌乳
フェルミエ、酪農協同組合、酪農工場
表皮に赤茶色の斑点が出ている。身はアイボリー色に黄金色が加わる。しっかりきかせた塩と発酵した蛋白質が濃厚な旨味となっている。
必ずチーズの身元を証明する鑑札が付く。CAはカンタル。15は生産地の県番号(カンタル県)。EEは製造者の登録番号。



サレール
オーヴェルニュ地方カンタル山塊
牛、生の全乳
フェルミエ、ビュロン
写真は熟成6カ月。表皮に赤茶色の斑点が出ている。身はアイホリ色に黄金色が加わる。しっかりきかせた塩と発酵した蛋白質が濃厚な旨昧となっている。
必ずチーズの身元を証明する鑑札が付く。CAはカンヲル。15は生産地の県番号(カンタル県)0EEは製造者の登録番号。
サレールとカンタルは、二千年来カンタルの山々で作られてきた、オーヴェルニュ地方を代表する大型チーズである。製法の基本は同じだが、作る時期で名前が遣う。夏山の放牧中に作るのが「サレール」で、その同じ牛のミルクを使って、他の期間に作るものが「カンタル」。フランスのAOCチーズの中で100%フェルミエは、唯一サレールだけである。赤い鑑札がそれを証明している。
カンタルの山々は一年の半分を雪に覆われている。4、5月になると、待ちかねた人々と牛たちは山へ出かけて行き、夏の放牧が始まる。山にはビュロン(buron)と呼ぶ石造りの山小屋がある。
人々はそこに寝泊まりして、朝夕ミルクを搾り、チーズを作る。

ライオル
ルエルグ地方(AOCが指定する地減)
牛、生の全乳
酪農協同組合
カンタル、サレールと同類のチーズ。1938年のラルース・力ストロノミック事典はカンタルのすぐれた1種としてライオルを挙げている。P・アンドウルエ氏は著書にカンタルよりも起源は古いかもしれないと書いている。ライオルの製造は11世紀にオーブラックの山に建立された修道院から始まったという。
製法は修道僧から山のチーズ小屋(ビュロン)に働く人々に伝わった。20世紀初頭まではチーズ作りは牛の高山放牧期間中と限られていたが、1976年、酪農協同組合による一年中生産に踏み切る。現在オーブラック高原のビュロンが作るわずかの量のチーズはAOCの規定「熟成4カ月」を待たないで旅行者に売ってしまうので、ピュロン製は夏から秋に現地に行って食べること。

アリゴ/トム・フレッシュ
オーヴェルニュ地方ルエルグ地方
牛、生乳または殺菌乳
フェルミエ、酪農協同組合、酪農工場
アリコの語源に二説あり。中世の頃、巡礼がオーブラックの教会に宿泊して食料を乞うた。何か食べるものをというラテン語aliquid (アリクイド)がオック語(中世プロヴァンス語)でアリゴになった。もう一説は古いフランス語のalicoter(アリコテ=小片に切る)がアリゴになったというもの。
土地ではいろいろの料理に使うが、マッシュポテトと合わせた「アリゴ」は名物。
熱いマッシュポテトにアリゴを刻んで加えて、力をいれて手早く混ぜこむ。アリゴは溶けてつきたての餅のように2、3mものびる。刻みニンニク、ソーセージの焼き汁、塩、胡械で味を整えて、のびるのをひきながら熱いところを食べる。


ウォッシュタイプ
カレ・ド・レスト
シャンパーニュ地方、ロレーヌ地方
牛、殺菌乳
酪農協同組合、酪農工場
身には小さな気孔があり、柔らかくねっとりとしている。
塩はきつめ。カレは四角。エストは東の意


サシ=レミー
ロレーヌ地方
牛、殺菌乳
酪農協同組合、酪農工場
カレ・ド・レストの一種。弱くもなく強くもないが、ウォッシュタイプがちょっとほしい時に便利である。

ソーシュロワ(ル)
ロレーヌ地方で )(-
牛、生乳
酪農場
カレ・ド・レストの一種。塩がきいている

白カビタイプ
シャウルス
シャンパーニュ地方
牛乳
酪農場、酪農工場

ショーム
ベアルヌ地方
牛、殺菌乳
酪農工場
食べやすい。匂いも穏やかなので初心者向き。
ショームはフランスを代表するチーズメーカーの一つ

シェーヴルタイプ
クロタン・ド・シャヴィニョル/シャヴィニョル(AOC)
ベリ一地方(AOCが指定する地域)
山羊、全乳、冷凍凝乳の使用も可
フェルミエ、酪農場、酪農工場
クロタンとは、粘土でできたクロ(crot)と呼ぶランプに形が似ているところからきた名前。一般にはその姿形から「小さな糞」で通っている。本来、クロタンは固くて、黒くて、デコポコなのである。最近は若いものが好まれる。出来たての白いものは140gある。2週間経つと110gになる。強めの塩味が味の濃さを引き立て、酸味や甘味などのバランスも悪くなし、4カ月にもなると、表皮にしわが寄り重さは約40gとなる。身はナイフをいれるのに苦労するほど固い。

プーリニ=サン=ピエール(AOC)
ベリ一地方(AOCが指定する地域)
山羊、全乳
フェルミエ、酪農工場
ニックネームはピラミッド。エッフェル塔とも呼ばれる。表皮はムラなく乾き、ブルーのカビのつき具合もよい。白い身は目が詰まり、きめは細かく、湿り気がある。ポロポロッとくずれる柔らかさである。山羊ミルク特有の匂いの中にワラの香りが混じる。爽快な酸味、適度な塩味、かすかな甘味が口の中に拡がる。さらに1週間経つと、表皮は一層複雑になる。味も濃厚になる。
ラベルが2通りある。緑のラベルはフェルミエ製、赤は酪農工場製。



サント=モール・ド・トゥーレーヌ(AOC)
トゥーレーヌ地方
山羊乳。冷凍凝乳の使用は禁止
フェルミエ、酪農協同組合、酪農工場
毎年6月第1週の週末にサント=モール町でチーズ祭がある。生産と熟成は山羊チーズの製造方法を忠実に守っている。自然脱水後、型から出したチーズの中心に麦ワラを一本通す。

セル=シュル=シェール
ベリ一地方、シェール河中流域(AOCが指定する地域)
山羊、全乳
フェルミエ、酪農協同組合、酪農工場
表皮は乾き、全体にブルー・グレーのカビが拡がってしる。表皮のデコボコと色合いに1個のチーズが熟成する過程がうかがえる。身は目が詰まり、きめが細かい。山羊チーズの特徴は、この肌の美しさにある。軽い酸味、かすかな甘味、それを支える塩味が、からまり合いながら溶ける。あとに香りが残る。土地の人たちは皮ごと食べてしまう。皮に味があるという。

アベロビック
ブルゴーニュ地方
春、夏は山羊乳。秋は山羊乳+牛乳。冬は牛乳
フェルミエ
1個3gは世界一小さいチーズではないだろうか。柔らかく、カビの味もよい。熟成も手抜きしていない。

オータン
ブルゴーニュ地方
山羊、生乳。季節、生産者によっては山羊乳+牛乳、または牛乳
フェルミエ
表皮のすぐ下の半透明の身は製造上は欠点というか、コクがあり美味で品格がある。山羊チーズのベストテンに入る。

ボンド・ド・ガティーヌ
ポワトゥ地方
山羊、生乳
フェルミエ
表皮は白いが、約1カ月半熟成の締った真っ白い身は食ベ頃。
塩味と酸味がきいた、口に溶ける身の豊かな芳香がよい。

ブーカ(ル)
トゥーレーヌ地方
山羊、生乳
フェルミエ
切り口が美しい。身の締まりぐあいも上々。ミルクの香りがする。酸味、塩味のバランスがよい。食べ頃のシェーヴル

ブーゴン
ポワトゥ地方ブーゴン村
山羊、生乳。輸出用は殺菌乳
酪農協同組合
形と表面の白カビはカマンベールに似ている。生乳を使った工場製。
8度で保存。食べる1時間前に室温に、と包装紙にある。味は均一。

ブトン・ド・キュロット
ブルゴーニュ地方
山羊乳。季節、または生産者によっては山羊乳+牛乳、または牛乳
フェルミエ、酪農場
熟成2週間で表皮にブルーのカビが出る。1カ月で身は黄色味を帯び、刺す辛味が出てくる。

ビュシェト・ダンジュー
アンジュ一地方
山羊乳
酪農場
サント=モールのイメージで作られた。皮は食べても害はないが、取り除いたほうがおいしい。第二次大戦後の製品。

ビュシェト・ド・パノン
プロヴァンス地方パノン町
山羊、生乳
フェルミエ
食事の後より始めに。フレッシュチーズの軽い酸味とサリエット(香草)の香りを味わう。南国プロヴァンスの情趣。

カプリ・ルゼアン
ポワトゥ地方ルゼェ村
山羊、生乳
フェルミエ
山羊のチーズには珍しく多湿(ほとんど100%)で熟成するので、表面はベタベタしている。黄金色でブルーのカビが少々ある。身はクリーム状で流れかけている。そこが味わいどころ。

シャロレ/シャロル
ブルゴーニュ地方
山羊、生乳。または山羊乳+牛乳
フェルミエ、酪農場
ミルクのうまさを一つのこらず使いきり、活かしたチーズ。塩味、酸味、甘味、香りが舌の上に拡がる。

シヴレー
ポワトゥ地方
山羊、生乳
フェルミエ
自然のカビの味付けがよい。酸味はやや強めで甘味は少ない。きめが細かい。姿も良い。すべてに柔らかくまろやか。典型的な平地の山羊チーズ。シャビシュー系。

クロシェット
アングーモア地方サンテステフ村
山羊乳
フェルミエ
ブルーのカビがきれいに出ている。トーピニエールと同じ生産者

クエ=ヴェラック
ボワトゥ地方
山羊乳
フェルミエ、酪農場
栗の葉をあけるとブルーのカビと栗の葉の香けがする風流なチーズ。

フィグ
ベリゴール地方
山羊乳
酪農湯
布巾で絞って形を作ったもの。大人のげんこつくらいの大きさ。身はぽろぽろとくずれる

フルム・ド・シェーヴル・アルデシュ
ヴィヴァレ地方
山羊、生乳
フェルミエ
山羊チーズにしては大きい。外皮に茶色とブルーのカビ。酸味が少しある。
大型なので1.5カ月ほど熟成させる。

ガレ・ソロニョオ
ベリー地方
山羊、生乳
フェルミエ
自然のカビが匂う。カビには様々な姿がある。カビが魅力的でなければ口には運べない。外皮は取り除くが、後味にカビの香がのこる。おいしいチーズの記憶はしばしば、このカビの匂い、味によるところが大きい。

ガレット・デ・モン・デュ・リヨネ
リヨネ地方サヴィーニ村
牛、生乳
酪農場
スプーンですくって食べる。チーズのおいしさ、ミルクのおいしさがやさしい余韻となって口中に拡がる。薄板の支えがないと持ち運びはむすかしい。名前は「リヨンの山のお焼き」。

マコネ/シュヴルトン・ド・マコン
ブルゴーニュ地方
山羊乳。季節、生産者によって山羊乳+牛乳、または牛乳のみ
フェルミエ、酪農場
硬いものは割って、小片をしゃぶる。詰まった身に春の草が、かすかに匂う。ここまで熟成すると、フロマージュ・フォール用

パヴェ(ル)
ヴィヴァレ地方デゼーニュ村
山羊、生乳
フェルミエ
Trop sec(トロ・セック)乾きすぎ、熟成しすぎ、と非難する若手のチーズ屋もいる。表面にはブルーのカビ。ねばりもあり、塩と酸味と甘味が渾然一体となっている。

パヴェ・ブレゾワ
オルレアネ地方
山羊乳
酪農場
乾いた表面にブルーのカビ。真っ白い断面。なめらかな舌ざわり。
後味に快いカビの匂いが残る。

パヴェ・ド・ラ・ジネスタリエ
ラングドック地方
山羊、生乳
フェルミエ(自然農法)
山の山羊チーズ。シェーヴルの表皮をこの色にまで熟成させる方法は秘密だ
そうである。皮にワラの跡がある。味にもワラの匂いが残る。ワラは水分を除き、ワラの菌は熟成に役立つ。

ロジュレ・ド・ラマストル
ヴィヴァレ地方
山羊、生乳。山羊乳+牛乳
フェルミエ、酪農場
ロジュレは方言で赤いの意味。このチーズは熟成がすすむと、赤いカビがでてくる。そこからこの名前がきたそうだ。きめが細かくクリーミー。

サン=フェリシアン・ド・ラマストル
ヴィヴァレ地方
山羊、生乳
フェルミエ
皮も身も味も柔らかくてやさしい。そのわけはカイエ・ドゥと呼ぶ作り方にある。固まった凝乳を切ってすぐ型に入れないで、でてくる乳清が澄むまで乳清ごと静置する。同じ名前の牛乳製が知られているが、これは山羊製で別物。

サントランジュ
ベリ一地方サントランジュ村
山羊、生乳
フェルミエ
ロワール河の中流域、ベリー地方のサンセロワ地域に、サントランジュ、シャヴィニョル、クレザンシーの三つの村名で知られた山羊チーズがある。サントランジュはコクがあって魅力的である。生産量は少ない。


トーピニエール
アンダーモワ地方サンテステフ村
山羊乳
フェルミエ
古くからあるガプロンの型を使って新しく製造された。密度の高いミルクで作られ、カーヴのカビがすばらしい味をつけている。

ヴァンドモワ
オルレアネ地方
山羊、生乳
フェルミエ
きめが細かく、あとに酸味がのこる。

セミハードタイプ
シュヴレット・デ・ボージュ
サヴォワ地方ボージュ山塊
牛、山羊の生乳。山羊乳に牛乳を混ぜるが、割合は季節、生産者によりまちまち。
フェルミエ
サヴォワ地方では山羊乳に牛乳を混ぜたチーズを、シュヴレット(Chevrette)山羊のチーズをシュヴロタン(Chevrotin)という。シュヴレットは2、3軒の農家で作っているのみ。なくなりつつあるチーズの一つである。

シュヴロタン・ダルパージュ、ヴァレ・ド・モルジーヌ
サヴォワ地方モルジーヌ村
山羊、生乳
シャレ
湿った表面の布目の跡に、白、赤茶色のカビ。9月にシャレで作り3.5カ月経ったもの。甘い匂いは良質なミルクが使われたことを表している。ルブロションにヒントを得て作られた山羊のチーズ。

シュヴロタン・デザラヴィ
サヴォワ地方アラヴィ山塊
山羊、生乳(時には、牛乳を混せる)
フェルミエ、シャレ
外見も風味もいわゆる山羊チーズとは違う。製造方法は手で軽く圧し、洗う。ルプロション方式。表皮のぬれた色、ぽってりとした柔らかな身もルブロションを思わせる。山のシェーヴルの醍醐味を味わえる。

シュヴロタン・ド・マコ
サヴォワ地方
山羊、生乳
フェルミエ
出来たての灰白色のチーズは生産者からチーズ店にわたり、湿った暗いカーヴで1カ月眠る。身はゆっくりと熟成し、表面には黄色、ローズ色のカビの華が咲く。カーヴは300m2、岩山の防空壕の跡を利用している。

シュヴロタン・ド・モンヴァルザン
サヴォワ地方モンヴァルザン村
山羊、生乳
フェルミエ
きめ細かく目のつんだアイボリー色の身。カビの匂いとねっとりとした身の感触が舌にのこる。

シュヴロタン・ド・ベゼ=ナンクロワ
サヴォワ地方ベゼ=ナンクロワ村
山羊、生乳
フェルミエ
ベセ=ナンクロワは、標高1300mにある人口約500人の村。その村の6月製を6カ月寝かせたもの。小型にしては長期の熟成で表皮の風化の状態は激しいが、身にはねばり気があり、良質ミルクの熟成の妙味を味わえる。

コンテ
主にフランシュ=コンテ地方(AOCが指定する地域)
牛、生乳。牛の品種はモンベリアルド種、ピ・ルージュ・ド・レスト種
酪農協同組合、酪農工場
コンテは昔からジュラの山々で作られてきた。農家はミルクを持ち寄り、共同でチーズを作り、数村が一緒になって協同組合を運営している。
1976年に「コンテ」または「グリュイエール・コンテ」の名称でAOCを取得した。AOCチーズにはカゼイン製の緑色の鑑札を側面に付け、鑑札の右に生産月、左に生産日を明記することが規定されている。
生産地はジュラを中心に、西のブルゴーニュ、北西のシャンパーニュ地方、南はアン県へと拡がっているが、品質を厳しく管理、毎年生産の5%がAOCを失格するという。コンテの味覚上の特徴はナッツの香りにある。甘く香ばしく万人に愛される明るい香りである。
熟成4、5カ月のコンテが愛されるのは、その香りが最高に楽しめるからだろう。フランスチーズ中、生産量は最大、フランス人の40%が食べている。

フレッシュタイプ
ブロッチュ/ブロッチョオ(AOC)
コルス圏
羊乳か山羊乳、あるいは両方を混せる。そのミルクでチーズを作る。その時にでる乳清と羊か山羊の全乳が原料。乳清にはまだ蛋白質その他のミルクの成分が含まれている。その残留成分を活かしたのがこのチーズ
フェルミエ、酪農場、酪農協同組合
コルシカ人が愛してやまないチーズ。パリへきた、皇帝ナポレオンの母レティジア・ポナパルトは、ブロッチュ恋しさに、郷里から山羊をつれてこさせるが、うまくいかなかったという話がある。呼称はプロヴァンス地方の言葉で、フレッシュ・チーズを意味するブルウス(brousse)が変形したものという。
現地へ行ったら、湯気がたっている、出来たての温かいのを食べること。ほのかにミルクの匂う柔らかなチーズの、のどごしの良さがすばらしい。地元ではコルシカのマールをかけて食べる。市場ではカゴ入りで売っている。ケーキ(フィアドーネ)、料理(オムレツ、カネロニなど)にも使う。

ウォッシュタイプ
フィレタ(ア)
オート=コルス県(2B)イソラチオ村
羊、生乳か山羊、生乳
酪農場
シダの葉は本物。商標のア・フィレタはコルシカ語でシダのこと。ア(a)は女性定冠詞、フランス語の(la)に相当する。フランス本土向けなのか熟成は若い

セミハードタイプ
フロマージュ・ビュール・レ・ド・ブルピ
コルス=デュ=シュド県(2A)/バステリカチア村
羊、生乳
フェルミエ
薄茶色の皮に白、麦ワラ色、緑のカビ。身には気孔が多い。押すと弾力がある。少し酸味がある。柔らかい。ミルクの良さが表皮や身に表れている。グレー、薄茶と白いカビ。カゴの跡。押すとへこむ。湿り気のある身はくずれる。熟成1年。固く、砕けて、ピリピリとした辛味がある。


トム・シェーヴル
コルス=デュ=シュド県(2A)サルテーヌ市
山羊、生乳
フェルミエ
サルテヌ市の近郊、ピアッジオーラ村のはずれで、山羊飼いのアンドレアーニさんが作っている。まさに乾いた石である。その上を朱色のカビがおおう。身はロウソクのようだ。コルシカの野性そのもの。

トム・コルス
コルス=デュ=シュド県(2A)アピエット村
羊、生乳
ア・ベクレラ酪農協同組合
組合名のア・ベクレラは仔羊の意。1年ものの切り身はボロポ口と砕ける。これが土地っ子の好み

ウ・ルスティヌ
オート=コルス県(2B)カステロ=ディ=ルスティノ村
羊、生乳
酪農場
ルシカでは特別にチーズに名前をつけない場合が多い。

ヴィユ・コルス
オート=コルス県(28)コルテ市近郊
羊乳
酪農場
三重のパラフィン紙に包んである。3枚目は溶けてチーズの一部になりかかっている。身には青カビがマーブル状に拡がる。蛋白質はアミノ酸化してシャリシャリとしている。

ドリュ・ア・ラ・フイユ/フイユ・ド・ドリュ
ドルーエ地方
牛、部分脱脂乳、生乳か殺菌乳
酪農場
ドリュはパリから東へ約80kmの穀倉地帯にある古い町である。農作業の途中で一服しておやつに食べたチーズ。長期保存在するので、くっつき合わないように栗の葉に包んで箱の中にしまう。その間にゆっくり熟成する。

ハードタイプ
エメンタル
フランス各地
牛、殺菌乳
酪農工場
大きな気孔が特徴。そのまま食べてもおいしいが、料理に多用される。

エメンタル・グラン・クリュ
プレス地方、サヴォワ地方、ブルゴーニュ地方、シャンパーニュ地方など
牛、生乳
製造所酪農協同組合、酪農工場
表面のLABELROUGE (赤ラベル)、側面の赤い鑑札が、特級の証し。

青かびタイプ
エポワス・ド・ブルゴーニュ(AOC)
主にブルコーニュ地方(AOCが指定する地減)
牛、全乳
フェルミエ、酪農場
マールの香りと、洗って熟成するチーズが自然にもつ味の強さが相乗してユニークな風味を醸し出す。フランスの美食家で美昧礼讃の著者であるブリヤ=サヴァランがチーズの王様と称賛した品位がある。

フルム・ダンベール/フルム・ド・モンブリゾン(AOC)
オーヴェルニュ地方(AOCが指定する地域)
牛乳
酪農協同組合、酪農工場
まろやかで食べやすいブルーチーズの代表。女性に人気がある。
ロックフォール同様に身に青カビを混ぜ込んで作る。針を刺して、内部に空気を通し、カビに酸素を送る。生産地域は二つあり、製法が同じなので、地域合わせてAOCに指定された。
フルムJはラテン語のforma(型)がなまったもの。フランス語の「フロマージュ」はフルムがその語源ともいう。


ウォッシュタイプ
ベルグ
フランドル地方
牛、脱脂乳
フェルミエ、酪農場
ベルクはベルギー国境の町。

セミハードタイプ
フロマージュ・サンドレ
シャンパーニュ地方
牛、脱脂乳
酪農場
地元ではシャンパーニュの灰まぶしと呼ぶ。ブドウの収穫期に食べる。蝿がたからないように木の白い灰を使い、食べるとき、濡れたブラシでおとす。

フレッシュタイプ
フロマージュ・ブラン
フランス各地
牛、殺菌乳
酪農工場
ブランは白。白チーズとは、乳酸発酵しただけの凝乳状のチーズ。きめの粗いカンパーニュ(campagne)と口あたりのなめらかなリス(Iisse)がある。軽い酸味と甘味のある、さわやかな食べもの。冷やして塩、コショウ、刻んだシブレットと。

フロマージュ・フレ・ド・ニーム
ラングドック地方
牛、生乳
酪農場
緑のローリエが1枚のっている。ミルクとローリエの香り。酸味、甘味が柔らかい。さわやかなのどごし。

ガルディアン
プロヴァンス地方
羊乳。牛乳製もある
フェルミエ
羊乳のは12月から夏まで。牛乳製は一年中

ブルピ・フレ・デュ・コースドゥ
ケルシ一地方
羊、生乳の乳清
フェルミエ
非常に柔らかい。塩気はない。ほんのりとした甘味。酸味もない。淡い味わいがいつまでもつづく。乳清とはいえミルクの味がしっかりある。高原の羊ミルクの力量に感服。

ガプロン
オーヴェルニュ地方
牛、生乳か殺菌乳の全乳か部分脱脂乳
酪農場
分離したクリームでバターを作った。そのバターを作った残りの液が原料。熟成もかまどの火に吊したので、スモークの匂いがついた。黄色のひもは吊したときの名残り。

リヴァロ(AOC)
ノルマンディ地方(AOCが指定する地域)
牛、生乳か殺菌乳
酪農場、酪農工場
洗って作り上けるチーズ。ロクーで表面を着色してある。目にも強いが鼻にも強い、漬けこんだ匂いがする。ピリッとした刺激臭がある。表面を押すと指にベタつく。身も充分に熟している。小片を口に含むときめの細かさ、味の端正さ、品位がひろがっていく。

マロワル/マロル
ティエラシュ地方(AOCが指定する地域)
牛、生乳か殺菌乳
フェルミエ、酪農工場
千年の歴史をもつ北フランスを代表する強いチーズ。パリから北北東へ200kmのマロワル村に、キリスト教布教の中心となったマロワル修道院があった。その修道院の名を持つこのチーズは、962年に、修道僧によって作られたという。
その後、北部一帯に同じ製法による数々のチーズを生んだ。繰り返し洗って、時間をかけて熟成する。表皮に自然につく白カビを、洗うことで排除しつつ、赤い皮を作る酵素(フェルマン・ルージュ)を待つ。その酵素が特有の色を与え、匂いとなり、味を作る。

ブーレット・ダヴェヌ
ティエラシュ地方
牛、生乳か殺菌乳
フェルミエ、酪農工場
アヴェヌはパリからブランドルへぬける街道の古い町。マロワルの型くずれしたものに、エストラコン、パセリ、コショウ、丁子などを刻みこんで丸め、着色したり、バプリカをまぶしたもの。

ブーレット・ド・カンブレ
ティエラシュ地方
牛、生乳か殺菌乳
フェルミエ、酪農工場
カンブレ近郊は、トリップ(牛の胃袋)など臓物料理で有名。これは熟成しないマロワルに、塩、コショウで味をつけ、エストラコン、パセリ、シブフレットなどの香草を混ぜて、フレッシュの旨味を引きたてている。

マンステール/マンステール=ジェロメ(AOC)
アルザス地方、ロレーヌ地方(AOCが指定する地域)
牛、生乳か殺菌乳。ミルクの濃縮、再合成は禁止
フェルミエ、酪農協同組合、酪農工場
フランス東部にヴォージュ山脈。その東側はアルザス地方、西側はロレーヌ地方。この二つの地方には、早くから往来があった。その点、山越えが困難なアルプスやピレネーとは違う。山脈の東と西で同じチーズを作っていた。名前だけが遣う。アルザス側はマンステール。ロレーヌ側は、チーズ作りの中心になったジェラルメの町名がなまってジェロメ。六百年来共存した二つのチーズは、1978年、マンステール=ジェロメの名前でAOCを取得した。
このチーズの特徴は、まず強い匂いにある。口の中は温かい。匂いは増幅されて拡がる。臭いといえば臭い。しかしクセになる匂いだ。特徴の第2は、柔らかく、なめらかな身にある。口中の温度で溶解するフォアグラやチョコレートの感触に似ている。赤い皮、きめの細かい黄金色の身、ねばり、ほのかな甘味、濃厚なミルクの全成分が渾然一体となって開花する。ただし、若い熟成では、この醍醐味は味わえない。熟成の度合が、色と香りと味を作り出すからだ。土地では、皮つきジャガイモの茄でたてと食べる。またクミンを薬味に添えて出す。クミン入りのマンステールもある。
牛はヴォジェンヌ種。18世紀にスカンジナヴィアからきた品種。頑健で忍耐
力があり、ミルクは蛋白質の含有量が多い。

セミハードタイプ
モルビエ
フランシュ=コンテ地方(AOCが指定する地域)
牛、生乳か殺菌乳
フェルミエ、酪農場、酪農協同組合、酪農工場
軽い甘味で食べやすい。もともとは、コンテ作りの人が、鍋底に残った凝乳に虫除けのススをふりかけて、翌日その上に凝乳を重ねてできたのが始まり。

ミュロル
オーヴェルニュ地方
牛、殺菌乳
酪農工場
表面に細かい布目。赤オレンジ。押すとはねかえす弾力。身は熟成した黄色で、きめは細かく、カマポコの歯ごたえ。匂いも味も強くはなし、サン=ネクテールに穴をあけて作ったのが始まり。

白カビタイプ
ヌシャルテ
ノルマンディのブレ地域
牛、生乳か殺菌乳
フェルミエ、酪農場、酪農工場
南ノルマンディにはカマンベール、リヴァロなどあるが、これは北ノルマンディを代表するチーズ。歴史は古い。食通年鑑(Almanach des gourmands1803~1812年) に紹介されたのが、パリジャンがこのチーズを知るきっかけとなる。パリ~ヌシャルテは132kmで、この近距離も幸いした。いろいろな形がある。四角いカレは表面がよく乾している。皮がポロポロとつまめる。柔らかく、押すとへこむ。質のいい白カビの上品な味。

オリヴェ・サンドレ
オルレアネ地方
牛、殺菌乳
酪農場、酪農工場
フドウの木の枝を燃やした灰の中にチーズをしまって置く。チーズはゆっくり熟成して、灰まぶしのオリヴェとなる。生活の知恵だ。土地の人には必需品。漬物のような親しみのもてる味。軽い歯ごたえがある。

シェーヴルタイプ
ペラルドン・デ・セヴェンヌ
ラングドック地方
山羊、生乳
フェルミエ、酪農場
若い山羊のチーズ。ミルクに迫力がある。この濃厚複雑さは、山の草や木の芽を食べたたまもの。酸味、塩味充分。余韻がある

ピコドン・ド・ラルデシュ/ピコドン・ド・ラ・ドローム
ヴィヴァレ地方ドーフィネ地方(AOCが指定する地域)
山羊の全乳。濃縮ミルク、粉ミルク、乳蛋白の添加と冷凍凝乳の使用は禁止
フェルミエ、酪農場、酪農工場
チーズ名の由来はピカンを意味するオック語(中世プロヴァンス語)からきた。熟成がすすむと、たしかにピコドンはピカンになる。

ポン=レヴェック(AOC)
主にオージュ地方(AOCが指定する地域)
牛、生乳か殺菌乳
フェルミエ、酪農場、
洗う方は表皮が湿っている。身は柔らかく、押すとへこんで、はね返す弾力はない。熟成がすすむと表面に赤みが増し、ねばねばと指につくようになり、匂いが強くなる。身は黄金色、またはオレンジがかった黄色。全体に小さな気孔が散っている。さらに熟成がすすむと、気孔がつぶれ、切り口は脂肪で光る。
塩水で繰り返し洗いながら熟成するとチーズの味わいは強くなる。熟成が浅いうちはその醍醐味は味わえない。繰り返し洗いながら低温多湿のカーヴで時間をかけて、ピークに達したものは秀逸である。表皮からは強烈な匂い。皮は食べられない。こなれた円い塩味と漬物臭さが特徴。酸味はない。甘味が出てくる。
ノルマンティの銘チーズらしい風絡がある。チーズの盛り合わせに、ウォッシュタイプの代表としてこのチーズが選ばれるのは、味の深さと風格によるのだろう。歴史は古い。記録からはノルマンディでは一番古いチーズ。修道院が起源というが確証はない。

ポール=サリュ
メーヌ地方
牛、殺菌乳
酪農工場
均一な表皮。規則正しいプラスチックの布目の跡。少々の湿り気。おだやかな匂い。押すとはね返す弾力。白っぽいクリーム色の身は、しっとりとしてなめらか。軽い酸味、後味もさっパリとしている。よくできた工場製

ラクレット/フロマージュ・ア・ラクレット
フランス各地。特にサヴォワ地方、フランシュ=コンテ地方
牛、生乳か殺菌乳
酪農協同組合、酪農工場
ラクレ(racler)は削ること。チーズを半分に切って、切り口を火で温めて溶かし、それをそぎ落として食べる。茹でた皮つきのジャガイモが合う。キュウリや小玉ネギのピクルスをそえる。

ルブロション・ド・サヴォワ/ルブロション(AOC)
サヴォワ地方(AOCが指定する地域)
牛、生の全乳。牛の品種はアポンダンス種、モンベリアルド種、タリーヌ種に限る
フェルミエ、酪農協同組合、酪農工場、シャレ
皮に張りがある。厚みと大きさのバランスが良い。小さな気孔の断面が一様なのは、いいチーズの条件のひとつ。舌にはまず冷たさ、次にしっとりと濡れた重みを感じる。なめらかな脂肪の餅である。若い熟成の初々しさが、このチーズの味わいどころか。大型チーズの代表ポーフォールと並ぶ品格のあるアルプスチーズ。20世紀初頭までは生産量40tの、地元だけのチーズだった。やがてスキー客などが知り、人気が上昇して、生産量が増えた。夏から初冬に出まわる、アルパージュものはおすすめ。

青かびタイプ
ロックフォール(AOC)
AOCが指定する地域
羊、生の全乳
酪農場、酪農工場
ロックフォールはイギリスのスティルトン、イタリアのゴルコンゾーラとともに、世界の三大ブルーチーズとして名高い。
塩味は強いが旨味がある。
ロックフォールを熟成する村は、パリから南へ650km。標高630m、人口900人弱。ブドウも麦も育たない荒涼たる風景の中を羊の群れが行く。コンバルー山の北側の崖にへばりついた家々と不思議な洞窟がひっそりと存在する。地球上のユニークな地形と、その地形が作りだす精妙な空気、カビや湿気や風の道。その不思議を発見し、活用し、取り込んだ人間の知恵がロックフォールという珍しいチーズを生んだ。18世紀の百科全書に「チーズの王」と定義されているが、今日もそれに異論はない。
羊飼いの若者が置き忘れたチーズに洞窟の青カビがついたのが、その始まりという、いかにも牧歌的な伝説は、今も生きている。ロックフォールを名乗るチーズは一つ残らず洞窟熟成庫出身なのである。洞窟がつくるチーズの特異性とその魅力は各地に伝わり、海賊版洞窟チーズさえ現れた。生産者たちは組合を結成し、自衛保護のため、1925年、どのチーズよりも早く、法律でAOCを確保した。しかし、海賊版洞窟チーズは後をたたず、1961年、ついに現地ミヨ市の裁判所は「熟成庫はロックフォール=シュル=スルソン村にあるコンパルー山の堆積物ソーン内、標高630-710m、長さ2.5km内にある」の判決を下し、ロックフォールの人々と海賊版洞窟チーズとの戦いに終止符が打たれた。


サン=ネクテール
オーヴェルニュ地方(AOCが指定する地域)
牛、生乳か殺菌乳
フェルミエ、酪農協同組合、酪農工湯
サン=ネクテールの特徴は、まずその表皮の個性的な匂いにある。柔らかなミルクの匂いではない。暗く湿った熟成庫のワラとカビが醸し出す、強いクセのある匂いこそがこのチーズの身上である。柔らかい身は舌に重みを感じさせ、歯応えがある。溶けてくると、わずかに酸味がでる。ナッツの香ばしさ、金属性のピリッとした辛味も少しある。標高1000mの土壌に育つ豊潤な草と、少量の濃厚なミルクを出すサレール牛の資質が相まって複雑な味を作っている。それを楽しむにはbienfait (ビアン・フェ)、よく熟していること。また殺菌乳では、サン=ネクテールの個性を充分に味わうというわけにはいかない。

スーマントラン
ブルゴーニュ地方
牛、生乳か殺菌乳
フェルミエ、酪農場、酪農工場
身はクリーミーで、ごくあっさりしている。エポワス、マンステールなどと同じ洗って熟成させるチーズだが、最近は、こんな浅い熟成が好まれる

タミエ
サヴォワ地方ボージュ山塊
牛、生の全乳
タミエ修道院
タミエ修道院は、1131年、ポジュ山塊に建立。修道僧の食事用に作り始めたのが起源という。現在もこの修道院の修道士たちの手で作られている。食べやすいルブロション系。

トム・ド・パノン
プロヴァンス地方
山羊、生乳
酪農場
サリエットバターだの飾りではない。プロヴァンスの芳香だ。身はきめが細かい。香草の香りと一緒に、若いさわやかさを食べたい。

トム・ド・リュラン
サヴォワ地方
牛、生乳
酪農協同組合
身は柔らかく、全面に小さな気孔がある。ねっとりした舌ざわり。味は決して強烈ではない

トム・ド・サヴォワ・オ・キュマン
サヴォワ地方
牛、生乳か殺菌乳
フェルミエ、酪農場
表面に布目が克明に残っている。布巾に包んで圧搾して作るからだ。熟成は充分で、身にねばりがある。この一帯に自生するクミンの実を混ぜこむ。クセのあるクミンの味が、病みつきになる人もいる。

トム・デュ・フォーシニー
サヴォワ地方
牛乳
酪農場
赤茶の表皮に、グレーや白のカビ。身は全面に小さな気孔がある。身は黄身色をしていて、塩がきいている。

トム・グリーズ・ド・セセル
サヴォワ地方
牛、生乳
酪農場
ネコの毛と呼ばれる細いグレーのカビが生える。カビを手でなでつける。
それを繰り返すうちに毛は徐々に短くなり、皮ができる。そして固く、厚くなる。

白カビタイプ
ブールソー
イル=ド=フランス地方
牛乳にクリーム添加
酪農工場
ブリをおもわせる柔らかい味。軽い酸味。第二次大戦後の製品。
チーズ名は製造者で考案者の名前から。

ブールサン
ノルマンディ地方
牛乳にクリーム添加
酪農工場
パンに塗って、おやつやおつまみに。

カプリス・デ・デュー
シャンパニュ地方
牛乳にクリーム添加
酪農工場
1956年に発売された。工場生産チーズの草分けとなる。

エクスプロラトゥール
イル=ド=フランス地方
牛乳にクリーム添加
酪農工場
他に450gと切り売り周の1.6kgの大型もある。

セミハードタイプ
ベツマル
中央ピレネー
牛、生乳か殺菌乳
フェルミエ、酪農場
ピレネーの牛のチーズの代表。12世紀にルイ六世(肥満王)が産地で賞味し
た記録がある。

エ・バマルー
中央ピレネー
牛、生の全乳
酪農場
強いチーズだ。小さな気孔がいっぱいの海綿状の身は、熟成はすすんでいるが、柔らかい。ピレネーの牛のチーズは、一番味の穏やかなベツマルから、ムーリスと次第に強くなり、このエ・パマルが最強だ。

フロマージュ・ド・モンターニュ、ル・ピック・ド・ラ・カラパス
中央ピレネー
牛、生の全乳
酪農場
カラパス峰は標高2210m。製造の場所は麓のサン=ラリー村。山のチーズの条件を満たしている。布目の跡がはっきりある。表皮は白、グレー、茶、熟成はすすんでいる。身は濃いクリーム色。香りが強い。花の香りと熟した肉の匂い。

フロマージュ・ド・モンターニュ、ル・ロガレ
中央ピレネ
牛、生乳
酪農場(クーム酪農)
身はねっとりとねばり、発酵した匂いがする。全面に目(気孔)がある。水切りが悪いといい目はできない。湿度95%の多湿熟成とチーズを置く樫の板が呼ぶカビが、発酵を促し目を作る

ヴァシュラン・デュ・オー=ドゥー/モン・ドール(AOC)
フランシュ=コンテ地方(AOCが指定する地域)
牛、生乳。牛の品種はモンベリアルド種、ピ・ルージュ・ド・レスト種に限る。
酪農協同組合、酪農場
フランスとスイスの国境、ジュラ山脈にモン・ドール(黄金の山)という山がある。標高1463m。その山帯でこのチーズは作られてきた。国境をまたいでフランスが先だ、いやスイスが始めたと、両者が元祖を主張する。フランス側では標高1000m以上にある40カ村が11月、12月、1月を中心に、山間の農家からミルクを集め、20余りのアトリエで生産している。




ギリシャ・イタリア

フェタ(DOP)
ギリシャバルカン半島
羊乳、山羊乳
塩味は強いが、コクがある。塩抜きしてサラダ、または果物と一緒に食べる。保存性を高めるために塩水に漬けてある。食べる前にぬるま湯で洗うか牛乳に浸す。アテネ郊外の羊飼いが作り始めたといわれ、2000~3000年前から存在している。

アズィアーゴ・プレッサート(DOP)
イタリアヴェネト州、トレンティーノ・アルト・アディジェ州
牛乳
酪農場
弾力のある組織で、ほのかな酸味がある。

ベル・パエーゼ
イタリアロンハルディア地方
牛乳
1906年にエジティオ・ガルバー二(EgidioGalbani)氏によって作られた。その後20世紀のヒット商品となる。乳の香りがする。マイルドではあるか、やや脂っぽさがある。

アズィアーゴ・ダッレーヴォ(DOP)
イタリアヴェネト州、トレンティーノ・アルト・アディジェ州
牛、生乳
酪農場
今も伝統的手法で作られる。丘陵と森の中に囲まれた独自の伝統を持つ七つの自治都市(deisete Comuni)で作られる。

白カビタイプ
ブラドゥーロ(DOP)
ピエモンテ州
牛乳(山羊乳や羊乳を混ぜることもある)
酪農場、酪農工場
マークは黒。褐色の表皮を持つブラ・ドゥーロはスパイシーで乳酸発酵のクセがある

ブリナータ
トスカーナ州ムジェッロ渓谷
羊乳
酪農工場
イタリアでは珍しい白カビに覆われたチーズ。朝もやという意味である。開発されたのは近年。熟成すると軟らかくなってくる。羊乳特有の優しい甘さがある。生ハムやルーコラと共に食べるのがお勧め。

セミハードタイプ
ブラ テーネロ(DOP)
ピエモンテ州
牛乳(山羊乳や羊乳を混ぜることもある)
酪農場、酪農工場
マークは赤。膨らみのある側面で柔らかなタイプ。弾力があり酸味があり穏やかな風味。

カチョカヴァッロ・シラーノ(DOP)
モリーゼ州、プーリア州、カンパーニャ州、バジリカータ州、カラーブリア州
牛、生乳。又は殺菌乳
酪農場、酪農工場
2個1組で左右にぶら下げて熟成したことから、カチョ(チーズ)カヴァッロ(馬)と呼ばれるようになった。シラーノはカラーブリア州にある深い森シーラのこと

カショッタ・ドゥルビーノ (DOP)
マルケ州ペーサロ・エ・ウルビーノ県
牛乳(2/3)、羊乳(1/3)の混合乳
酪農場、酪農工場
歴史は15-17世紀に遡る。ウルビーノ公爵がチーズづくりを奨励。羊のために、土地を買い広げていったと言われている。16世紀には需要も増え、チーズづくりが確立されたと思われる。15-30日の熟成で食べ頃になる。

カステノルマーニョ(DOP)
ピエモンテ州クーネオ県
牛乳(又は山羊乳、羊乳を混ぜても良い)
酪農場
カードを布の袋に吊して発酵させ、粉砕器でボロボロにした後、型に詰める。成形までに時聞がかかることや条件の悪い山岳地帯で製造されるため希少価値がある。表皮の亀裂から自然に青カビが発生する。

クルティン
ピエモンテ州
牛乳(70%)、羊乳(30%)の混合乳、黒トリュフ最低3%
酪農場
ランゲ地方の訛りでカンティーナ(ワインセラー)をクルティンという。かつて、ねずみよけのために紐で結んでカンティーナの中で吊して熟成させていた。

エスカルン・ディ・ペコラ
ピエモンテ州
羊乳(80%)、牛乳(20%)の混合乳
酪農場
エスカルンとは土地の方言で小さな羊や山羊の群を言う。カステルマーニョに似た崩れるような組織が特徴。ほのかに白トリュフの香りが漂う。

フィオーレ・サルド
サルテーニャ州
羊、生の全乳
酪農場、酪農工場
歴史は青銅器時代まで遡ることが出来る。サルデーニャ種の羊の乳から作られる山岳地帯の伝統的なチーズである。フィオーレとは花

フォンティーナ
ヴァッレ・ダオスタ州
牛、生の全乳
酪農場、酪農工場
Fontinとは山という意味。山岳地帯に放牧した期間(6~9月) に作られるものが最高とされる。優しくナッティな風味がある。土地の料理フォンドゥータ、パン粥、ポレンタ等に溶かして食べるのがお勧め。

フォルマイ・デ・ムット
ロンバルディア州ベルガモ県
牛の全生乳
酪農場、酪農工場
標高1200-2500mで夏の間に作られるものは、アルベッジョと呼ばれ青色のスタンプが押される。土地の方言でフォルマイはチーズ、ムットが山。

ゴルゴンゾーラ・ドルチェ(DOP)
ピエモンテ州、ロンバルディア州
牛の全乳
酪農工場
第二次世界大戦後に商品化されたもの。崩れやすいので回りにスノコを巻き熟成させていく。塩分も控えめで、優しいブルーチーズである。そのままパンにたっぷりとのせて食べる他、リゾットにパスタにと大活躍である。流通する商品の90%以上がこのタイプになる。

グラーナ・パダーノ
イタリア北部
パダーナ平原
牛の生乳
酪農場、酪農工場
イタリアDOPチーズの中で生産量1位を誇る。キッチンのハズバンドという異名を持つだけあり重宝される。生産地区はポー河一帯の大平原地帯から、北部山岳地方のトレント県まで広がる。

モンターズィオ
フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州、ヴェネト州
牛、生乳又は殺菌乳
酪農場、酪農工場
歴史は13世紀に遡る。モッシオ修道院で作られていたというチーズはモンターズィオの山に住む人々に伝えられた。バランスのとれた味わい。熟成につれて深みのあるパイナップルのような味になる。

ペコリーノ・ディ・クロトネーゼ
カラーブリア州クロトーネ
羊の全生乳
酪農場
クロトーネのペコリーノ。ギリシャ人が伝えた古いチーズだと言われる。ただし文献として残っているのは18世紀中頃。羊特有の豊かな風味がある。熟成が進むとややピリッとする。カラーブリア特産のベペロンチーノ入りのものもある

フレッシュタイプ
モッツァレッラ・デイ・ブッファラ・カンパーナ(DOP)
ラッツィオ州、カンパーニャ州
水牛、全乳
酪農場、酪農工場
名前の由来は引きちぎるという意味のモッツァーレ。細かく砕いたカードを桶に入れ、熱湯を入れながら練る。練ることにより光沢がでてくる。できあがった塊を二人一組になり、引きちぎりながら丸めて、冷水に入れて出来上がり。甘い乳の香りと優しい酸味がある。新鮮なものほど、切り口からミルクがしみ出してくる。
大きさによって愛称で呼ばれる。たまご大はオヴォリネ、サクランポ大はチリエージ。また三つ編みのトレッシェ、結び目があるノディーニなどユニークな形がある。トマトとバジリコを使ったサラダ、カプレーゼが有名。

モッツァレッラ
イタリア全域
牛乳
酪農場、酪農工場
かつてはフィオーレ・ディ・ラッテ(牛乳の花としづ意味)と呼び、水牛製のモッツァレッラと区別していた。しかしながら、需要が高まりイタリア全土で生産されるようになり、単にモッツァレッラと呼ぶようになった。

ペコリーノ・ディ・フォッサ
エミリア・ロマーニャ州
羊、生の全乳、又は殺菌乳
酪農場
8月中旬に穴の中に埋めて11月25日に掘り出すという珍しいチーズ。フォッサは穴を意味する。縦機2メートルの巨大な穴を所有するのはサンマリノ共和国の近く、ソリアーノ・アル・ルピコーネ村。独特の香りが特徴。

ハードタイプ
パルミジャーノ・レッジャーノ(DOP)
エミリア・ロマーニャ州モテナ県、レッジョ・エミリア県、パルマ県
ポローニャ県(レノ河の左に位置する地域一帯)
ロンバルディア州マントヴァ県(ポー河の右に位置する地域一帯)
牛の生乳
酪農場、酪農工場
前日夕方搾った乳と翌朝の乳を合わせて作る。年々数は減っているが、今でも職人が作る。大きな熟成室でチーズを磨くのはロボット。白い表皮が2年目には濃いあめ色に光ってくる。15カ月までは若くて甘すぎる。3年を過ぎると苦くなる。ちょうどいいのがふた夏たったものだという。断片を噛みしめると口いっぱいに旨みが広がる。パルミジャーノ・レッジャーノを担保に銀行でお金を借りるシステムは今も残る。評価額の80%まで融資を受けられるという。

ペコリーノ・ロマーノ (DOP)
ラッツィオ州、サルデーニャ州、トスカーナ州
羊の生乳
酪農工場
ローマ産の羊乳製チーズの意味があるが、今日では製造の大半が、サルデ一ニャに移った。10月~翌年の7月まで製造。塩気が強いが、しっとりとして羊乳特有の旨みがある

ペコリーノ・セネーゼ
トスカーナ州 シエナ県
羊の全生乳
酪農場
シエナ県で作られるペコリーノ。シエナ県の雄大なパノラマを見晴らす丘の上の町がピエンツァ。シエナ県の中でも特に有名なのがピエンツァのペコリーノ。

ペコリーノ・シチリアーノ・プリモサーレ(DOP)
シチリア島全域
羊の全乳
酪農場、酪農工場
起源はギリシャ人がシチリアを征服した時代に遡る。黒胡械が入ったタイプが人気。型から取りだして塩をした段階から食べられる。熟成2週間で食べるチーズをプリモ・サーレ(最初の塩づけ)と呼ぶ。熟成4カ月以上はペコリーノ・シチリアーノ(DOP)を名乗ることができる。パスタ料理に使うのがお勧め。

ペコリーノ・トスカーノ
トスカナ州
羊の全乳
酪農場、酪農工場
ペコリーノという名称は第二次世界大戦後につけられた。それ以前はカチョ(Cacio)と呼はれ各農家で作られていた。1950年以降農家製が減少していった。今日では羊飼いの90%以上はサルティーニャ人だという。若いうちに食べるフレスコは最低20日の熟成で出来上がる。甘く優しい、味わいがある。スタジオナートと呼ぶ熟成タイプは最低4カ月以上熟成させる。またオリーヴオイルを塗って6カ月以上熟成させたオーロ・アンティコがある。一般的には若い状態で食べるチーズだが、近年は熟成させたものが人気。

プロヴォローネ・ヴァルパダーナ(DOP)
イタリア北部バターナ高原
牛の全乳、殺菌乳
酪農場、酪農工場
19世紀後半、南イタリアのチーズ職人、マジョッティ兄弟が豊富な乳を求めて北に移住しチーズ工場を始めた

クワルティローロ・ロンバルド(DOP)
ロンバルティア州
牛乳
酪農場
クワルティローロとはロンバルディア地方の古い言葉で4回目(クアルト)の牧草の刈り入れ(タリィオ)のこと

ラグザーノ(DOP)
シチリア州ラクーザ
牛の全乳または生乳
酪農場
16世紀にはすでに海外に輸出されていた。製法はカチョカヴァッロと同じだが、形は細長い四角形。第一次大戦後、大量にアメリカに輸出されるようになり、輸送に便利なように大きな形になっていった。

ラスケーラ
ピェモンテ州、クーネオ県
牛の生乳。場合によって山羊乳、又は羊乳を加えることもある
酪農場
ラバの背中に積みやすいようにとの配慮から四角い形になった。900m以上で製造したものに限りアルベッジョと名乗れる。

ロビオラ・ディ・ロッカヴェラーノフィア
ピエモンテ州
山羊、全乳
酪農場
フィアとは方言でいちじくの葉っぱのこと

リコッタ
イタリア全土、南イタリアが中心
羊乳、牛乳、水牛乳の乳清。近年のものにはクリームを添加
酪農場、酪農工場

フレッシュタイプ
セイラス・デル・フェン
ピエモンテ州
羊乳と牛乳の乳清、生クリーム
酪農場
ベッリチェ渓谷の羊のリコッタ。凝固した羊のリコッタを麻布にくるんで1日と1晩水切りし、刈り取った草(fienoまたはfen)の中で熟成させる。日の当たらない屋根裏部屋に置くことで草の青さを保たせ、独特の芳香を持つようになる。回りがカビだらけになったものはコクがあり美味。

ロビオラ・ディ・ロッカヴェラーノ(DOP)
ピエモンテ州
最高85%の牛乳と山羊乳と羊乳のどちらか2種、又は3種の混合乳。生乳、または殺菌乳、脱脂乳
酪農場、酪農工場
近年は山羊乳製100%が増えている。ロビオラとは熟成すると表皮が赤くなる、ルベオラ(Rebeola)が転じた言葉。

ロビオラ・ディ・ロッカヴェラーノ インカヴォラータ
ピエモンテ州
山羊乳と牛乳
酪農場、酪農工場
キャベツの葉にくるんで熟成させる。キャベツの水分でチーズの柔らかさを保つ。へーゼルナッツやアーモンド、ハーブの香りが広がる。山羊乳と牛乳の混乳製。インカヴォラータはちりめんキャベツのこと。

サルヴァ
ロンバルティア州ベルガモ県
牛乳、または殺菌乳、脱脂乳
酪農場
サルヴァとは救うという意味がある。子牛が生まれると牛たちは乳をたくさん出す。余った乳を無駄にしないためにタレッジョの高さの2倍のチーズを作ったという。季節は乳の豊富な5月。その頃は牛たちがアルプスに出発する。

スカモルツァ
南イタリア全土
牛乳
酪農場、酪農工場
名前の由来は樹木の先端を切るというスカモルツァーレから。モッツァレッラ同様にパスタ・フィラータの仲間。ビアンコ(白)とアッフミカータ(燻製)がある。蒲鉾に似ている

ソーラ
ピエモンテ州クーネオ県
牛の生乳、または山羊生乳
酪農場
名前の由来は方言で靴底(suola di scarpa)を意味する。モンドヴィ近郊の
山岳地帯で作られる。カードを布で包み、成形したために、いびつな四角形をしている。中央の拳大の凹みは布の結び目。ひなびた素朴な味わいがある。

タレッジョ
ロンパルディア地方
牛乳、全乳
酪農場、酪農工場
タレッジョ渓谷が原産。正式に名前が作られたのは第一次世界大戦後。指定地区はポー川流域まで広がるが、最高級品はタレッジョ渓谷、サッシナ渓谷産。ねっとりとして、軽い酸味がありフルーティでマイルド。

トーマ・ピエモンテーゼ(DOP)
ピエモンテ州
牛乳
酪農場、酪農工場
北部イタリアのピエモンテ州、ヴァレ・ダオスタ州全域、フランスのサヴォワ地方やピレネ一地方で広く使われているトーマ(フランスではトム)だが、DOPを名乗るのはトマ・ピエモンテーゼだけである。あっさりとした素科な味わい。

トゥモン・デッラルタ・ヴァレ・ベルボ
ピエモンテ州
牛の生乳
酪農場
地方の方言で大きなトムという意味がある。ベルボ渓谷で熟成させる。刻んだ香草をまぶして熟成させる。若いうちはやや酸味があるあっさり風味。

トゥーマ・ドゥ・フェーヤ
羊乳70%、牛乳30%
フェーヤとはランゲ地方方言で羊(pecora)の事。羊乳70%と牛乳が30%の混乳製。近くのムラッツァーノで作るものだけが、DOPを持つ。デリケートな風味。


セミハードタイプ
ウブリアコ・ロッソ
ヴェネト州
牛乳
酪農場
ワインの仕込み時期に作られる。ぶどうの搾りかすまたは、搾り汁に漬ける。発祥はトレヴィーゾ。チーズはモンテ・ヴェロネーゼ。香り高くワインの風味が生きている。そのためか、近年ではコピー商品がたくさん出回っている。ぶどうの品種によりプロセッコ(白)、アマローネ(赤)といった高級品もある。

ヴァルテリーナ・カゼーラ(DOP)
ロンバルディア州ソンドリオ県
牛乳
酪農場、酪農工場
ヴァルテリナ地方の珍しく貴重なチーズ、ビット(Bitto;幻のチーズ)の改造版として18世紀に作られた。フルーナ・アルビーナの良質の乳から作られる。カゼーラはチーズ小屋の意味がある。優しい味わい。






ポルトガル スペイン
シェーヴルタイプ
アセイトン(DOP)
リスポンの南セーラ・ダラビータ
羊、生の全乳
酪農場
生産量は少なく、ほとんどが現地で消費される。型詰めは今も手作業で行われる。回りを布で巻いて熟成させる。カビは何度もブラシで洗い落とす。やや塩けがあるが、海の潮の香りと独特の旨みがある。

カブラ・トランスモンターノ
ポルトガル北東部トラス・オス・モンテス
山羊、生の全乳
酪農場
ポルトガルでは山羊肉は最高のご馳走。乳を利用する反面、肉の需要も多い。山羊は北西ポルトガルのセラーナ種。酸味があり、あっきりした風味がある。熟成すると深味のある味わいになる。カブラは山羊のこと。

カステロ・ブランコ
ポルトガル中東部 カステロ・ブランコ
羊、全乳
酪農場
セーラ・ダ・エストレーラとよく似た風味がある。エストレーラ山岳地帯の製法が自然と伝わったと思われる。かつて羊毛産業が盛んだった頃から飼われている、メリーノ・ダ・ベイラ・ハイシャという種類の羊の乳が使われる

エヴォラ(DOP)
ポルトガル南部エヴォラ
羊、生の全乳
酪農場
アレンテージョ中心の町、エヴォラはローマ時代の城壁に固まれている。ルネッサンス時期に大学も設置された学問の府でもある。手のひらにのるほどの小さなチーズは製造30日で食べ頃を迎える。凝固剤は朝鮮アザミのおしべ。オリーヴオイルの中に入れて保存することが多い。


ニーザ
ポルトガル南東部アレンテージョ地方
羊の全生乳
酪農場
かつては農家製が多かったが、工場製が増えてきた。表皮は濃いオレンジ色、中身は締まっている。メリナ・プランカ(MerinaBranca)種の乳から作られる。凝固剤はアザミのおしべ。表皮は洗って熟成させる。僅かな酸味と羊乳の甘みが感じられる。

ピカンテ・ダ・ベイラ・パイシャ(DOP)
ポルトガル中心部ベイラ・バイシャ
山羊の全生乳、羊の全生乳の混合乳
酪農場
羊乳と山羊乳の混乳製。伝統的には季節の初めの8~15日の間に作ったという。最低でも6カ月熟成させる。ピカンテという名前の通り、喉を刺激する辛さがある。かつては藁の上で熟成させていた。

サン・ジョルジュ
アソレス諸島
サン・ジョルジュ島
牛の全生乳
酪農場
歴史は15世紀に遡る。大航海時代の頃に伝えられたと思われる。この島は大西洋を横断する船の拠点となっていた。組織はポロポロとして塩がきいている。
英国のチェダー、フランスのカンタルと似た味わいがある。風味は強くぴりっとして刺激的である。最低120日熟成。

セルパ
ポルトガル南東部アレンテージョ地方
羊の全生乳
酪農場
アレンテージョ地方の南で作られる代表的なチーズ。セーラ・ダ・エストレーラから製法が伝わった。凝固剤は朝鮮アザミのおしべを使う。熟成すると干物のような味わいになる。

セーラ・ダ・エストレーラ
ポルトガル中東部ベイラ・パイシャ県
羊、生の全乳
酪農場
ポルトガルを代表するチーズである。エストレーラ山岳地帯は今も羊飼いが健在である。土地の羊、セーラ種の乳で製造。農家製が大半。朝鮮アザミのおしベを凝固剤として使用する。回りを布で巻いて熟成。バター風味のコク。

テリンチョ(DOP)
ポルトガル北東部トラス・オス・モンテス
羊、生の全乳
酪農場
動物性レンネット使用。
通常30~60日の熟成だが、Velhoと呼ぶものは90日熟成させる。
表皮を洗いパプリカを塗って熟成させたものは独特の風昧がある。

スペイン
カブラレス(DOP)
アストゥリアス地方東部
牛、生乳(春と夏は山羊乳、羊乳を混ぜる)
酪農場
家族経営の小さな工房で作られる。通常は無殺菌の牛乳だが、季節によって山羊乳や羊乳が混ざる。3つの乳を混ぜる時期(春から夏)が最高とされる。
熟成は自然の洞窟。喉を刺激する辛さがある。

ガローチャ
カタルーニャ地方中央部
山羊乳
酪農協同組合、酪農場
近代化が進むにつれて名もない田舎のチーズは消えゆく運命にある。このチーズを消滅の危機から救ったのはガロチャの山羊牧畜協同組合の若者たちだった。優しい甘みと酸味をもつ。また胡桃とマッシュルームの香りがする。

イディアサバル
バスク地方及びナバラ地方北西部
羊、生の全乳
酪農場、酪農工場
バスク地方を代表するチーズ。土地の羊(ラチャ種、カランサナ種)の乳、凝固剤は子羊の塩漬けを使用する、など厳しい規則がある

マオン
メノルカ島(バレアス諸島)
牛乳
酪農協同組合、酪農場
マオンは地中海貿易の経由地だった。海上輸送向けに、表皮にはオリーヴオイルとパプリカをぬっている。海の潮の風味がする

ケソ・マホレロ(DOP)
フェルテベントゥーラ島(カナリア諸島)
山羊、生乳
酪農場
アフリカ大陸からわずか100kmのフェルテベントゥーラ島で作られる。金色に輝く砂浜、広大な平野が広がるこの島は普から牧畜を伝統としてきた。山羊は順応性に富み、脂肪分の高い芳醇な乳を出すマホレラ種。やや酸味があるバランスのとれた風味。長期熟成させたものはピリッとした風味が感じられる。

ケソ・マンチェゴ(DOP)
ラ・マンチャ地方
羊、全乳
酪農場、酪農工場
スペインで、もっとも知名度が高い。ラ・マンチャ地方、標高600m以上の高原地帯で作られる。羊はマンチェガ穫のみが許可される。羊特有の優しい甘さと香りがある。

マンチェゴ・アル・ロメーロ
ラ・マンチャ地方
羊、全乳
酪農場、酪農工場
生産地区はラ・マンチャ地方。小型マンチェゴの回りにローズマリーをまぶして熟成させている。熟成するにつれて、ローズマリーの香りが中まで浸透する。心地よい香りと羊乳の甘みが口の中に広がる。

モシテネブロ
カスティーリャ・レオン地方
山羊、全乳
酪農場
モンテは山、ネブロは杉に似た針葉樹のこと。
軽い酸味があり爽やかな風味。

ロンカル(DOP)
ナバラ地方(ロンカル渓谷)
羊、生乳
酪農場、酪農工場
牧畜と森林資源の共同管理を行っているロンカル渓谷の農村共同体で作られる。冬はナバラ州南部、夏はロンカル渓谷の高台の牧草地と、移動放牧しながらチーズ作りを行っている。しっかりとした奥行きのある味。

ケソ・デ・ラ・セレーナ(DOP)
ラ・セレーナ地方、エストレマドゥーラ地方
羊、生乳
酪農場、酪農工場
製法はポルトガルチーズと似ている。朝鮮アザミのおしべが凝固剤として使用される。中世以降、イスラム教徒から国土を回復し、村落が形成されて定住が始まると羊毛生産、やがて牧畜が盛んになっていく。しっとりと柔らかい。

ケソ・テティージャ(DOP)
ガリシア州
牛、生乳
酪農場、酪農工場
表皮は滑らかで、てっぺんに小さな乳頭がついていることから、おっぱいという意味を持つ。スペインの中で最大の牛乳生産地であるガリシア地方は、テティージャを作る大小の工場が点在する。マイルドでクリーミー。

青かびタイプ
ケソ・デ・バルデオン
バジェ・デ・バルテオン(レオン県)
牛、全乳
酪農場、酪農工場
バルデオンはピコス・デ・エウロパ山脈の南支脈にある深い谷。ここで50年前にチーズの生産を開始した。しっとりと深みのある味わい。





スイス
セミハードタイプ
アッベシツェラー
アッベンツェル地方
牛、会乳
酪農場、酪農工場
産地はスイス北東、アルプスの少女ハイジのふるさとからも近い。アルプシュタイン山脈の麓のアッベンツェル地方は、強い自治体の州としても知られている。ラベルには州の紋章である「歩く熊」が描かれている。歴史は大変古く、西暦800年頃、シャルルマーニュの食卓に必ず用意されていたという。香辛料を加えた白ワインに浸した布で拭くことによりチーズに独特の風味を与える。
熟成期間はラベルの色で異なる。香り豊かでスパイシな風昧は熟成につれて強くなる。

エメンタル
エメンタル地方
牛、生乳
まろやかでナッツの風味がする。わずかに甘味が残る淡白な味わい。製法はむずかしく、3種のバクテリアがスターターとして使われる。プロピオン酸が大きなチーズの目(気孔)を作る要因となる。

グリュイエール
フリブール州
牛、生乳
12世紀にはすでに作られていた。エメンタルに比べ芳醇で、塩味も酸味も若干ある。クリーミー、コクがある。熟成したものは、内部にレニュールという細い亀裂が入っていることがある。エメンタルとともにフォンデュには欠かせない。キッシュやオニオングラタンにも必要である。

ラクレット
ヴァレ州及びスイス全土
牛乳
そのままでもまろやかでおいしいが、溶かして食べるのが一番。ラフレットは料理名でもある。必ず添えられるのが茹でたジャガイモとピクルス。最後に黒コショウをひとふりする。昔はラクレットと呼ばれる特別に焼いた皿を使った。山小屋で暖炉の火にチーズをかざし、切り口を火であぶって溶けたところをナイフで削りとって食べたところから名づけられた。

スプリンツ
中央スイス
牛、生乳
ピリッとしてコクのある風味。熟成によって、旨味の成分であるアミノ酸の結晶のざらざらした感触がある。専用のチーズかんなで紙のように薄く削るか、おろしてパスタにかけるのが一般的。ヨーロッパのチーズの中では最古のものの一つで、ローマ時代にはすでに知られていたと思われる。

テェト・ド・モワーヌ
スイス側ジュラ山脈
牛、生乳
酪農場、酪農工場
こってりとした風味がある。上面を切り取り、専用の削り器「ジロール」に差し込んでハンドルを回すと、花びらのような美しい形ができあがる。

ヴァシュラン・モンドール
スイス側ジュラ山脈
牛、殺菌乳
酪農協同組合、酪農場
モンドール(黄金の山)のスイス側で作られる。フランスのモンドールに比べて生産量は極端に少ない。





スイス
セミハードタイプ
アッベシツェラー
アッベンツェル地方
牛、会乳
酪農場、酪農工場
産地はスイス北東、アルプスの少女ハイジのふるさとからも近い。アルプシュタイン山脈の麓のアッベンツェル地方は、強い自治体の州としても知られている。ラベルには州の紋章である「歩く熊」が描かれている。歴史は大変古く、西暦800年頃、シャルルマーニュの食卓に必ず用意されていたという。香辛料を加えた白ワインに浸した布で拭くことによりチーズに独特の風味を与える。
熟成期間はラベルの色で異なる。香り豊かでスパイシな風昧は熟成につれて強くなる。

エメンタル
エメンタル地方
牛、生乳
まろやかでナッツの風味がする。わずかに甘味が残る淡白な味わい。製法はむずかしく、3種のバクテリアがスターターとして使われる。プロピオン酸が大きなチーズの目(気孔)を作る要因となる。

グリュイエール
フリブール州
牛、生乳
12世紀にはすでに作られていた。エメンタルに比べ芳醇で、塩味も酸味も若干ある。クリーミー、コクがある。熟成したものは、内部にレニュールという細い亀裂が入っていることがある。エメンタルとともにフォンデュには欠かせない。キッシュやオニオングラタンにも必要である。

ラクレット
ヴァレ州及びスイス全土
牛乳
そのままでもまろやかでおいしいが、溶かして食べるのが一番。ラフレットは料理名でもある。必ず添えられるのが茹でたジャガイモとピクルス。最後に黒コショウをひとふりする。昔はラクレットと呼ばれる特別に焼いた皿を使った。山小屋で暖炉の火にチーズをかざし、切り口を火であぶって溶けたところをナイフで削りとって食べたところから名づけられた。

スプリンツ
中央スイス
牛、生乳
ピリッとしてコクのある風味。熟成によって、旨味の成分であるアミノ酸の結晶のざらざらした感触がある。専用のチーズかんなで紙のように薄く削るか、おろしてパスタにかけるのが一般的。ヨーロッパのチーズの中では最古のものの一つで、ローマ時代にはすでに知られていたと思われる。

テェト・ド・モワーヌ
スイス側ジュラ山脈
牛、生乳
酪農場、酪農工場
こってりとした風味がある。上面を切り取り、専用の削り器「ジロール」に差し込んでハンドルを回すと、花びらのような美しい形ができあがる。

ヴァシュラン・モンドール
スイス側ジュラ山脈
牛、殺菌乳
酪農協同組合、酪農場
モンドール(黄金の山)のスイス側で作られる。フランスのモンドールに比べて生産量は極端に少ない。





このページを見た人は、こんなページも一緒に読まれています!


お問い合わせ/サイトマップ



Copyright © 2020 チーズを徹底比較!販売されているメーカーと商品を比べた結果 All rights Reserved.