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1.ハードチーズ
クリュイエール原産地:スイス・フリブール地方
フォンデュやキッシュには欠かせない大型チーズ
直径が70cm以上もある大型のチーズ。クリーミーで木の実の風味があり、酸味と塩味もやや効いている。チーズ・フォンデュやキッシュ、オニオン・グラタンなどの料理には欠かせない。そのまま食べるなら、熟成したものがいい。原料は牛乳で固形分中乳脂肪は48%。熟成は半年から1年。12世紀から作られている歴史あるチーズ。ワインは辛口の白か、ややコクのある赤。
エメンタール
原産地:スイス・ベルン地方
グリュイエールとともにスイスを代表するチーズ
直径1m近く、重さも100kg前後あって、グリュイエールよりもっと大型。断面に大きな気孔がいくつも見られるのは、製造に欠かせないブロピオン酸のせい。ほのかな甘味と木の実の味がする。 そのまま食べるほかチーズ・フォンデュに使われる。原料は牛乳で固形分中乳脂肪は48%。熟成は半年から8か月。ワインはフルーティな白がおすすめ。
ラクレット
原産地:スイス・ヴァレ地方
スイスの伝統料理ラクレットのベースはこれ
暖炉で切り口を溶かし、それを削ってじゃがいもにからませて食べる。日本でも最近人気のスイスの伝統料理、ラクレットに使われるのがこのチーズ。もちろんそのまま食べても、木の実の風味があっておいしい。ラクレットには削り取るの意味がある。原料は牛乳で固形分中乳脂肪は50%。熟成は3~6か月。ワインは辛口の白ワイン。
テテ・ド・モアンヌ
原産地:スイス・ベルン地方
専用の削り器で花びらのような形に削っていくと…
ジロールという専用の削り器で削っていくと、果物にも似た強い香りが立つ。削られたチーズは、まるで花びらのよう。その美しい形を生かして、オードブルなどに活用してみたい。原料は牛乳で固形分中乳脂肪は50%。熟成は3~6か月。15世紀に修道院で作られていたと言われており、名前には「坊さんの頭」の意味がある。合わせてみたいワインは重ための赤。
コンテ
原産地:フランス・フランシュ・コンテ地方
フランスで最も食べられ、生産量の多いチーズ
グリュイエールにも似た風味の大型チーズ。濃厚なミルクで作られ、木の実の香りが強くする。フランス国内で最も食べられているチーズ。スライスしてそのまま食べるほか、フォンデュやグラタン、サラダなど使い道の多いチーズだ。原料は牛乳で固形分中乳脂肪は45%以上。熟成は6~10か月。ワインは辛口の白かややコクのある赤。
ミモレット
原産地:オランダ、フランス・フランドル
鮮やかなオレンジ色が目印。熟成が進むと硬くなり色も変わる。
鮮やかなオレンジ色。弾力性があるが、熟成が進むにつれて硬くなり、色も薄茶色に変化していく。香りは穏やか、木の実の風味と塩味。若いうちはスライスしてそのまま食べたり、サンドイッチにしたり。硬くなったものは料理に使う。原料は牛乳で固形分中乳脂肪は45%。熟成は3~18か月。もともとはオランダが原産。ワインはフルーティーな白。
ボーフォール
原産地:フランス・サヴォア地方
フランス・アルプスで作られるコクのある一品
クリーミーな薄黄色の生地はきめ細かく、味にコクがある。 冬のチーズが白っぽいのに対し、夏のは黄色が強いのは、牛が食べる夏の牧草に、カロチンなどが一杯入っているから。食べ方はスライスしてそのまま。原料は牛乳で固形分中乳脂肪は50%。熟成は6~10か月。アルプスで作られる大型チーズで、側面に荷くずれを防ぐくぼみがある。ワインはボルドーなどコクのある赤。
パルミジャーノ・レッジャーノ
原産地:イタリア・エミリア・ロマーニャ地方
おろしたての豊かな香り。イタリアチーズの王様
ボッカチオのデカメロンに出てくるのはこれ。イタリアのチーズの王様と言われる歴史あるチーズだ。 ラビオリやカネロニなどの料理に、あるいは削って食べる。おろしたての豊かな香りはこのチーズの神髄。原料は牛乳で固形分中乳脂肪は32~35%と低い。熟成は2~3年じっくりと。パローロなどフルボディのイタリア赤ワインと。
エダム
原産地:オランダ
赤玉の名で親しまれるオランダの代表的チーズ
穏やかな味の中にほのかな酸味があってさわやか。パスタやスープなどにおろして使うのが最適。そのまま食べてもおいしい。原料は牛乳で固形分中乳脂肪は40%。熟成は4か月~半年。ゴーダとともにオランダの代表格で、輸出用は表面の赤いワックスが目印。赤玉チーズの名で親しまれている。ほかもそうだが、ワックスは取り除いてから食べる。ワインはフルーティーな赤や白。
マンチェゴ
原産地:スペイン・ラマンチャ地方
ドンキホーテの故郷で生まれた羊乳でできたチーズ
スペイン産は、ドン・キホーテの故郷で生まれた個性豊かなチーズ。匂いにも味にも羊独特の風味があってコクがある。薄くスライスして食べる。原料は羊乳で固形分中乳脂肪は50%。熟成は1か月~半年。製造過程でついた網目模様が特色。表面を着色したものもある。 合わせたいワインは同じスペインの少し重ための赤。
2.パルミジャーノ・レッジャーノ
レンネットチーズの原点。チーズの最高傑作パルミジャーノ・レッジャーノ中近東で誕生したチーズは、ギリシャを経て、ローマ帝国で完成され、ヨーロッパチーズの基礎となったと言われています。その元祖の風絡を思わせるのが、イタリアの超硬質チーズ、パルミジャーノ・レッジャーノ。
このチーズに適した自然環境の、指定5地域のみで、伝統的な製法に従って作られたものだけにこの名前か許されます。7世紀から受け継がれているという作り方を見ていきましょう。
夕方搾られた牛乳をパットに静置し、浮いた脂肪分を取り除いて自然脱脂します。長期熟成させるため、脂肪の酸化による味の低下を防ぐためです。また牛乳中の乳酸菌も増加します。
翌朝、新鮮な朝搾りの乳と混ぜて、銅製の大きな鍋に入れます。温めたところにレンネット(凝乳酵素)を入れ、乳を固めます。それを、ちょうちんの骨のような、「スピノ」という道具で細かく切りながらかきまぜます。加熱と攪拌を続けると、水分と固形分がどんどん分離し、カッテージチーズのような白い粒状になります。この粒を鍋底から麻布ですくいとり、「曲げわっぱ」のような木製の型に入れてプレスします。水分が出され、太鼓型のチーズに。
形作られると、大きなプールの中で約3週間塩水に漬けられます。その後、熱成庫で2年も熟成されるのです。定期的に表面をブラッシングし、反転します。35kgもの重さですから、ロボットが活躍します。
途中、政府の委嘱を受けた、組合のベテランのチーズ検宣官が熟成状況をチェックします。叩くだけでも、中の様子が判断できるとか。こうして合格した最高級のチーズのみに、「パルミジャーノ・レッジャーノ」という焼印が押されます。
できあがったチーズはとても硬く、砕いたり、粉におろしたり。長い熟成の間にタンパク質がアミノ酸に分解され、まさに旨みの塊になっています。
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